マスタリング TCP/IP 1章 -- インターネットの成立までの歴史とOSI 7層
なぜ読んだ?
メールサーバーの作成時に色々なインフラの概念にぶつかり全然理解出来ずにいるところを、この本読んで体系的に理解した方がいいよと言われていて、それが会社の研修室にあった
どんな本?
TCP/IP という 2021 年現在のデファクトスタンダード(公式な規格ではないが、事実上公式規格)のプロトコルをマスターするための本
1章は そもそもインターネットの前に何があって今どうなっているかの歴史から OSI 7層の話になる。
インターネットの成立までの歴史
現状のインターネット
WAN (Wide Area Network) によって広いエリアのコンピュータが繋がり、様々な物にアクセスできて
LAN (Local Area Network) によって 1つの建物の中でコンピュータ同士で通信して業務ができる
パッチ
最初のコンピュータの方式。計算する電子信号を紙に穴開けて書き、マシンに入れて計算させる方式。COBOL はこの方式前提で設計されているらしい
TSS
ひとつのコンピュータの計算資源を仮想的に分割し、繋いでいる各端末で各自対話的に作業できる方式
コンピューター同士は通信できないので外部メディアに一旦記録してやり取りしていたらしい
コンピュータ間通信
コンピュータ同士で繋いでデータのやり取りをできるようになった
またコンピュータが小さく安くなった為、従来の研究のみの用途から、企業での事務処理に使われるようになった
コンピュータネットワーク
従来は同じサイズのコンピュータでしか通信できなかったのが、どのサイズのコンピューターも接続できるようになり、小型 PC から大型 PC にログインできるようになった。
ウインドウシステムの実装によって、別々の作業を並行してできるようになった
TCP/IP の実装
これまでは同じメーカーの PC 同士でしか上手く通信出来なかったものが、共通規格の出現によって通信できるようになった。
これによって全ての PC が繋がる、インターネットが成立したらしい
背景にはメールや WWW (Web での情報検索のことか?) の流行があったらしい
インターネット中心の世界へ
個別に発展してきた各技術がインターネットに集約され、携帯電話やゲーム機などもインターネットに接続されるようになった
改めて TCP/IP とは?
SMTP (メール送信) や HTTP (Web 通信) などの当たり前となっているプロトコルの総称。
このプロトコルがなければ別のマシンが繋がるなんてことは有り得なかったらしい
例えると、お互いロシアと日本でローカル言語で話しても通じないから、英語使って話そうぜ、と言った取り決めのようなもの。
人間同士ならジェスチャーや実物見せたりして柔軟に対応できるが、コンピュータではそんなことはできないので、どういう場合にどうするか、どういう順番で行うかなどの細かい取り決めが非常に大事。
その通信方式の規約として ISO の OSI 参照モデル と 7層がある。
まとめと感想
インターネットはいきなり開発されたものではなく、パッチ方式から段階を経て今の方式に移り、今の便利なネット社会には TCP/IP 規約が必須
実例が多くて普通の資格などの技術書より遥かに読み物として面白かった。